今回は独特のブラックユーモアとバイオレンス描写が人気のオランダの映画監督ポール・バーホーベンの作品に点数とコメントをつけていきたいと思います。
- Wat Zien Ik?(1971年)
- 『ルトガー・ハウアー/危険な愛』Turks fruit(1973年)
- 『娼婦ケティ』 Keetje Tippel (1975年)
- 『女王陛下の戦士』Soldaat van Oranje (1977年)
- 『SPETTERS/スペッターズ』 Spetters(1980年)
- 『4番目の男』De Vierde man(1982年)
- 『グレート・ウォリアーズ/欲望の剣』Flesh & Blood(1985年)
- 『ロボコップ』Robocop(1987年)
- 『トータル・リコール』Total Recall(1990年)
- 『氷の微笑』Basic Instinct(1992年)
- 『ショーガール』Showgirls (1995年)
- 『スターシップ・トゥルーパーズ』Starship Troopers(1997年)
- 『インビジブル』Hollow Man(2000年)
- 『ブラックブック』Black Book(2006年)
- 『ポール・ヴァーホーヴェン/トリック』Tricked (2012年)
- 『エル ELLE』Elle (2016年)
Wat Zien Ik?(1971年)
未見。二人の娼婦にまつわるコメディ。
『ルトガー・ハウアー/危険な愛』Turks fruit(1973年)
未見。バーホーベン作品常連で、のちに『ブレードランナー』のロイ・バッティ役で有名になるルトガー・ハウアー主演のエロティック・ラブロマンス。
初期の代表作でかなり過激な内容らしい。いつか見たいですね。
『娼婦ケティ』 Keetje Tippel (1975年)
未見。当時のオランダで一番製作費がかかった映画という触れ込みで本国でヒットした一本。
十九世紀末のオランダを舞台としたKeetje Tippelの数奇な運命をめぐる物語。
『女王陛下の戦士』Soldaat van Oranje (1977年)
未見。二次大戦下のオランダの学生たちを描いた一本。
『SPETTERS/スペッターズ』 Spetters(1980年)
未見。青春ものらしい。高橋ヨシキさんがおススメしてたので是非見たい。
『4番目の男』De Vierde man(1982年)
これも未見。サイコロジカルホラーもの。
記事を書く意味があるのか怪しくなってきた。
『グレート・ウォリアーズ/欲望の剣』Flesh & Blood(1985年)
ルトガー・ハウアー主演の中世のイタリアを舞台とした冒険活劇。アメリカにわたってからの初めての作品。
結構期待して彼らしいエログロ描写も散見してたんですけど、個人的にはもっと過激なものを期待していたので、10点中5点。
ひょっとしたらアメリカでの初監督作でまだ持ち味を発揮できてなかったのかもしれないですね。
『ロボコップ』Robocop(1987年)
低予算ながらも大ヒットを記録した出世作にして代表作。殉職した警官がロボットとなって甦り、悪人を懲らしめていくという、ブラックユーモアと残虐描写を特徴としたダークなヒーロー映画。
とにかく登場人物の死に方がエグイし、ブラックユーモアも容赦ない感じが痛快ですね。
『デッドプール』がギャグを交えて酷いことをするのに対して、こっちは酷すぎてわらけてくる感じですかね。10点中8点。バーホーベン入門としてもおすすめです。
『トータル・リコール』Total Recall(1990年)
フィリップ・K・ディック原作の火星を舞台としたSFアクション。
当時すでにスターだったシュワちゃんの顔面をパンパンにふくらましたり、鼻の穴に器具をぶち込ませたり、やりたい放題。
何故か定期的に見たくなる一本。10点中8点。
『氷の微笑』Basic Instinct(1992年)
小説家であり、富豪でもある女性の周りを渦まく殺人事件の謎をとく、マイケル・ダグラス主演、シャロン・ストーン出演のエロティックサスペンス。
シャロン・ストーンが尋問されるシーンはあまりにも有名。
僕はブライアン・デパルマも好きなんですけど、途中から「これデパルマが撮ってもよかったな」と思いましたね。ヒッチコック的なサスペンスなんですよ。
余談ですけど、ヒッチコックってもっと生まれるのが遅かったら、相当どぎつい作風になってそうだなとおもいました。
「これはしつこいなー」っていう思わせぶりなサスペンスシーンもにてるんですよね。10点中6点。
『ショーガール』Showgirls (1995年)
ラスベガスにやってきたショーガールが頭角を現すまでのサクセスストーリー。
発表当時酷評されて、ゴールデンラズベリー賞を受賞した作品。不名誉な賞であるため、受賞者は滅多に授賞式に来ないが、バーホーベン自らが賞を受け取りに来てコメントしたことでも話題に。
こういうエピソードも信用できるというか、ユーモアを解する度量の広い監督なんだなとおもいますよね。この作品には再評価の流れがあって実はいい作品みたいな話があったりして、バーホーベン好きだし、それならということで見たんですけど、個人的には、いうほど酷くないけど、わざわざ再評価するまでもないという感じでした。4点。けどエンディングは好きです。
『スターシップ・トゥルーパーズ』Starship Troopers(1997年)
パワードスーツの概念でガンダムにも影響を与えた、ハインライン原作のSFもの。
地球に攻め込んでくるエイリアンを退治する戦士たちの戦いを一人の兵士の成長と共に描くSFアクション。
バーホーベンのベストに上げられることが多い一本で、個人的にも最高傑作だと思っています。
トレーラー見てもあんまり見たいと思えないですけど、大傑作です。
軍事国家をおちょくるブラックユーモアも最高。エロとグロとブラックユーモアの塩梅が非常にバランスがとれていて好みですね。
3年に一回ぐらいは見たくなります。10点中9点。おすすめ度も高いです。
『インビジブル』Hollow Man(2000年)
透明人間の話を現代的にリメイクした作品。
本人は大嫌いらしく、この後でハリウッドを離れる。そのためあんまり期待してませんでしたけど、透明人間になったら人がやりそうなことの下世話さや、実験が失敗した時のグロさ、人間の醜悪さなど、バーホーベンの得意とするところが、作品の舞台設定にマッチしており、個人的には結構面白かった一本。
バーホーベン好きなら見て損はないかと。10点中7点。
『ブラックブック』Black Book(2006年)
傑作。ナチス=悪玉、レジスタンス=善玉という単純な図式ではなく、ナチスの中にもいいやつがいたり、レジスタンスの中でも活動の中で私腹を肥やす悪人が出てきたり、戦後の市民によるリンチなどの凄惨な場面が描かれたり、二次大戦関連でありそうでない視点がある映画。
本作が面白かったので初期の歴史ものも見たら面白ろそうだなと期待が持てますね。
10点中8点。
『ポール・ヴァーホーヴェン/トリック』Tricked (2012年)
途中まで作られたストーリーを、一般公募で複数の人が脚本を継ぎ足していき、完成させるという実験的な試みによって完成した一本。
半分はその制作過程にまつわるドキュメンタリーで、もう半分が本編。
テレビ映画なので、当たり前なのかもしれないけど、画面の質感がかなりのっぺりした感じで、そこも少し気になった。
時代のせいかも知れないが、『ショーガール』も画面の質感がいまいちだったりして、そこへのこだわりはあまりない監督なのかと。
10点中6点。
『エル ELLE』Elle (2016年)
現時点での最新作。独特のグロテスクさは健在。何故か途中で見るのをやめてしまったので評価は保留。