『スパイダーマン：ノー・ウェイ・ホーム』感想

以下ネタバレ感想

見た方は知ってるかと思いますけど、スパイダーマンシリーズに出てきた悪役のみならず、 トビー・マグワイアとアンドリュー・ガーフィールドが演じるスパイダーマンもちゃんと出てきました！

この展開は期待はしていたんですけど本当に出てきたときはやはり感動しましたね。

それぞれのピーター・パーカーが、スパイダーマンの活動を通して、かなり辛い思いをしてきてるわけです。

トム・ホランド版ピーターもメイ叔母さんを今回亡くしてしまいます。

そういったスパイダーマンにしかわからない特有の痛みだったり孤独だったりをシェアすることでお互いの傷を癒すっていう展開が非常に良かったです。

それぞれのスパイダーマンのキャラも立ってましたし、見せ場もあったので、旧作ファンとして、非常に満足でした。

それから今回はトム・ホランド演じるスパイダーマンが、トビー版とアンドリュー版で出てきたヴィラン達をですね、死ぬ運命にあったんですけれども、彼らを何としても救いたい、彼らも色々苦しんでるんじゃないかっていうことでなんとか殺さずに救いたいって言う姿勢が良かったです。

ヴィランが抱えているメンタルヘルス、それを癒す、というのが一つの大きなテーマになってるわけです。

これは社会において加害者とどう向き合っていくかという問題に接続されていまして、MCU映画は社会問題との絡みかたのバランスも非常に良かったわけですけれども、今回もそれは健在でしたね。

最終的には、彼らをちゃんと救えることができたっていうことで、初代スパイダーマン、アメイジングスパイダーマンが過去にできなかったことをを達成して癒されていく過程もあって良かったです。

特にアメイジング・スパイダーマンは自分の恋人（グヴェン）を救えずに死なせてしまって未だにそれを引きずっているんですけれども、今回トム・ホランド版ピーターの恋人である MJ がピンチに陥った時に、彼の機転によってMJを助けることができたのでそこは非常に良かったです。

ということで、スパイダーマンシリーズをそれなりに見てきて、旧作のファンであるっていう人にとってはかなり楽しめる内容に映画になったんじゃないでしょうか。

月並みな言い方になっちゃいますけど、旧作ファンなら涙なしには見れない感じでしたね。

逆に旧作に思い入れの無い人にとってはどうだったんでしょうね。

まあ、映画単体としてどうかっていうのは、また別の話なので、ファンサービスって意味ではいい映画だったんですけれども、前述した通り、アクションシーン的にはもの足りなかったですし、「ことばよりも画面でなにか複雑なことを伝える」とか「画面の切り取り方の芸術性で感動させる」とか所謂「映画的」な快楽性はほとんどなかったのは確かです。

とくに、スパイダーマンが3人そろったところで、共闘するところなんかは、もうちょっとやりようがあったんじゃないかなって思います。